[PR]当たる!無料占いで仕事鑑定:大人気!無料占い『スピリチュアルの館』

バロック音楽の始まり(Beginning of Baroque Music)

 バロック音楽は、モンティヴェルディ(1567〜1643)のオペラから始まるといわれている。ルネサンスの多声的な教会音楽から、劇的なオペラが誕生する。そして、音楽の奏法も多声音楽から、通奏低音と合奏という動的な音楽が生まれる。いわゆる合奏協奏曲である。17世紀バロックはここではふれないことにして、バロック音楽が頂点に達した17世紀後半から18世紀前半のバロック音楽をみていくことにしよう。

コレルリ(Corelli)

(1653〜1713)

 ローマで活躍したコレルリは、後のイタリアのみならずフランス、そしてドイツ人のヘンデルにも大きな影響を与えた。コレルリは合奏協奏曲というバロック音楽の様式を確立した。コレルリの合奏協奏曲作品6は盛期バロック音楽の器楽曲の規範となった。合奏協奏曲は、ヴィヴァルディなどによってさらにヴァイオリン協奏曲に発展していく。また、コレルリは、バロックの古典的な精神を最初に音楽で表した人物であった。コレルリの音楽は、均整のとれた節度と、明るく調和のとれた美しさがある。コレルリは、古代ギリシアの古典美に憧れる文化人のサークルに入っており、古典的な精神の持ち主であった。フランスのクープランやラモーは、コレルリをまるでアポロンのように讃えて尊敬をしている。17世紀のフランスのルイ王朝こそ古代ギリシア・ローマの文芸を重んじる古典主義の中心地であった。

バロックの古典主義(Classicism of Broque)

 ここで、バロック芸術を美術史の観点からみていくことにしよう。15世紀のヨーロッパではルネサンスという大きな芸術運動が興る。ルネサンスとは、中世のキリスト教的な精神にかわり古代ギリシア・ローマの精神の復活を意味する。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」に始まり、ミケランジェロの「ダヴィデ」、そしてラファエロの「アテネの学堂」というように、古代ギリシアの神話、彫刻、哲学がよみがえる。そして、ルネサンスを通して、優雅で調和のとれた見目麗しい古典美が芸術の主流になっていく。

 優雅で調和のとれた古典的な芸術は、さらにバロックに受け継がれ発展していく。ルネサンスとバロックとはよく対照的な概念としてとらえられがちだが、確かにルネサンスの「静」とバロックの「動」は対照的だが、本質は変わることなく、古典主義は、バロックによって一層動きを伴った魅力的なものに発展していく。バロックの古典主義は、リズミカルな動きになり、そしてさらには、天上に舞い上がるような崇高な精神に高まっていく。

 バロックはローマに始まる。ローマ・バロックは、ローマ・カトリック教会が布教のために描いた天上画に始まる。キリストを中心にして、優雅な天使たちや聖人が天に舞い上がっている光景は神々しいばかりだが、ローマ・カトリック教会は、古典的な優雅さを利用して神への憧れを表そうとした。このように、バロック芸術は、本質的に古典的でありギリシアの神々もキリスト教の天使もともに優雅で理想的に描かれたのである。ローマに始まったバロックは、ヨーロッパの宮廷に受け継がれていき、一層洗練されたものに発展していく。宮殿の天上画にはヴィーナスやアポロンが描かれ古典主義は時代の精神になる。このような雰囲気の中でバロック音楽が発達したことを理解すべきである。

ヘンデルの古典主義(Handel's Classicism)

 イタリアでおこった古典的なバロック音楽は、器楽曲ではコレルリ、歌劇ではアレッサンドロ・スカルラッティ(1660〜1725)によって確立される。17世紀から18世紀にかけて古典的なバロック様式を発展させたのはフランスの宮廷であった。フランスの宮廷では、絵画も音楽も文学も古代ギリシア・ローマの文芸を模倣した。画家ではプッサンが活躍し、古典的なバロック絵画を完成させる。音楽でもクープラン(1668〜1733)やラモー(1683〜1748)が現れ古典的なオペラや器楽曲がつくられる。しかし、クープランやラモーの音楽は、イタリアやドイツの音楽に比べると、ひらめきが少なく形式的でマンネリズムに陥っている。

 真にバロックの古典主義を音楽で完成したのはドイツ人のヘンデル(1685〜1759)であった。ヘンデルはドイツに生まれるが、若いころから音楽の先進国であるイタリアに旅行している。そして、古典的なバロック音楽を身につけて、イタリア風のオペラを作曲して成功を収めている。ドイツを一歩も出なかったバッハとは対照的である。当時のヨーロッパでは、音楽といえばオペラか教会音楽をさしていた。ヘンデルはオペラの作曲家として出発する。イギリスの宮廷に招かれてオペラの劇活動を進めていく。彼のオペラは、古代ギリシア・ローマの神話や話を題材にしたものがほとんどであった。残念ながら現在我々は、ヘンデルのオペラを聞く機会はほとんどない。最近少しずつレコーディングされてはいるが。オペラは、日本人からみると言葉が違う点で敬遠されがちである。また、オペラは当時の流行音楽であり、流行に流されやすい面だけ軽薄な作品も少なくない。しかし、ヘンデルの数多くのオペラの中には真の傑作があるはずである。メサイアのような傑作があるはずである。晩年、ヘンデルは聖書に題材をとったオラトリオに転向するが、その最高傑作がメサイアである。

 ヘンデルは、メサイア(Handel's Messiah)によりその名を不朽にした。モーツアルトやベートーヴェンの時代には、バロック音楽は過去の時代の音楽で全く顧みられることはなかった。しかし、メサイアだけは例外であった。モーツアルトはヘンデルのメサイアを古典派風の音楽に改作した。ベートーヴェンはメサイアについて「真実がある」という言葉を残している。ベートーヴェンのこの言葉は意味深長である。ベートーヴェンの第九とメサイアはヨーロッパ人の心にずっと伝えられてきた。そして、いまでは全世界の人々に。メサイアがキリストの伝記をあつかったことも人気が出た一つであるが、その音楽のすばらしさはいうまでもない。メサイアの合唱やアリアは極めて美しく、音楽の劇的な構成もすばらしい。

 これから、メサイアの音楽の風景を見ていこう。メサイアはキリスト教音楽ではあるが、パレストリーナやバッハのような中世に回帰するような音楽ではない。ローマ・バロックのキリスト教なのである。バロック芸術は、ローマ・バロックに始まると前述したが、ローマ・カトリック教会は、ルネサンスから受け継いだ優雅な古典美を利用して、キリストやマリア、そして天使、諸聖人を描き布教の手段としていった。ここに、中世の禁欲的なキリスト教から優雅で美しいキリスト教に変貌する。このようなローマ・バロックのキリスト教を完璧に音楽化したのがヘンデルのメサイアである。メサイアのアリアはイタリア的で洗練された美しさを感じさせる。バッハのドイツ的なアリアと対照的である。合唱もローマ・バロックの聖堂の天上画を見上げるような恍惚とした美しさがある。メサイアは全体において、彼のオペラと同様に古典的なバロック趣味を感じさせる。

   図1  羊飼いの礼拝  プッサン

 一例をあげれば、No.12の合唱「ひとりのみどりごが、私達のために生まれる」は、17世紀フランスの画家プッサンの「羊飼いの礼拝」(図1)を想わせる。天使が舞っている下で、幼な子キリストを博士や羊飼いが祝福している絵は、ルネサンスからバロックにかけて繰り返し描かれている。たぶんヘンデルもそのような絵を思い浮かべながらこの合唱の筆を走らせたのかもしれない。この合唱にはキリストの誕生の喜びとともに、それを祝福している天使の羽ばたきがヴァイオリンの高い合奏で表現されている。まさに、この合唱はバロックのキリスト教絵画を見事に表現している。さらに、アリアは古典的であり、ギリシア神話的な愛の物語を想わせるようである。たぶん、メサイアの中でも最も美しい、アルトとソプラノのアリアNo.18「主は羊飼いのように」などがそうである。

 

 

 

 






 メサイアの演奏(Performance of Messiah) 

 メサイアの演奏にはかつてから優れたものが多いが、大きく分けて従来のオーケストラと合唱の演奏と、古楽器と聖歌隊を使った演奏に分けられると思う。私は最も優れた演奏としてカール・リヒターの演奏(1972)をあげたい。リヒターといえばバッハの権威として知られているが、ヘンデルの音楽にもかなり力を入れている。バッハのマタイ受難曲にしてもヘンデルのメサイアにしてもリヒターの劇的な表現には天才的なものを感じる。ジャンルは違うがカラヤンもまた劇的な表現という意味で天才的な才能をもった指揮者だが、カラヤンが劇的で艶やかな演奏をするのに対して、リヒターは劇的で精神的な演奏をしている。私が学生のころ、1960年代から1970年代に、耳にした話であるが、ドイツでは、音楽界がカラヤン派とリヒター派に分かれているというのを聞いたことがある。確かにこの二人はドイツを代表する天才指揮者であることに間違いはない。それゆえか、二人の演奏は現在ほとんどCD化されている。

 ところでメサイアの話に戻るが、リヒターは、バッハとは異なった古典的なヘンデルの音楽の特徴をよく理解して演奏している。合唱もアリアも極めて美しく洗練されている。しかし何よりも、リヒターのメサイアは、生き生きしていて古くささを感じさせない。そして、リヒターがバッハにとったのと同じ深い精神性でメサイアをとらえている。それは、神を音楽の中に見いだそうとする態度であろうか。ガーディナーの古楽器と聖歌隊を使った雅やかな演奏(1982)があるが、軽く流れてしまってわき上がるような感動がない。やはり、リヒターのメサイアは永遠だと思う。

ヘンデルのオペラ(Handel's Opera)

 
ヘンデルのオペラが古楽器グループによって、オリジナルに忠実な形で、時々レコーディングされるようになり、好ましい現象だと思う。ヘンデルは、元々オペラに情熱を傾けた作曲家であった。そして、イタリアのバロックオペラを完成させた人物でもある。

 
ここで、ウィリアム・クリスティ指揮の「エイシスとガラテア」(Handel's Acis and Galatea) 1998 を取り上げて、ヘンデルのオペラの風景を述べてみたい。このオペラは、いわゆる正歌劇ではなく、セレナータとして、小規模な編成で1718年作曲された。台本はオヴィディウスの「転身物語」を原典にして、英語で書かれている。この牧歌劇は、人気を呼び繰り返し上演され、ヘンデルは何度か改訂して、スコアを完成している。

 この牧歌劇は、イタリア風の明朗で優雅なバロック様式を質の高い音楽で完成させている。明朗で優雅といえばモーツアルトの古典派のオペラを連想するが、モーツアルトのオペラは生き生きしていて天真爛漫である。それに対し、ヘンデルのバロックオペラは、古典主義的な調和と均衡によりコントロールされ、落ち着きと気品を保っている。バロックオペラは基本的には古典主義的なのである。

           フローラ         ティエポロ

 ティエポロの「フローラ」を見ると、バロック絵画の特徴がよく分かる。まず、背景に古代を想わせる建物があることである。バロック芸術が、あくまでも、古代ギリシア・ローマの文芸を尊重するからである。そして、人物の姿や動きに調和と均衡が保たれていることである。車に座ったフローラの前に、踊っている女性がいるが、律動的なポーズであるが、よく見ると優雅にリズムを取っている。動きの中に、優雅さと均衡を求めたのがバロック芸術であった。

ヘンデルの「エイシスとガラテア」では、動的な優雅さが見事に表現され、バロックの傑作の牧歌劇になっている。

♪序曲とその後の律動的で明朗なコーラス♪は、そのようなオペラの性格を見事に捉えている。














歌劇「リナルド」
(Handel's Rinaldo)

ヘンデルは、イタリアで本格的なオペラ修行をする。ヴェネチアで発表した「アグリッピーナ」が大成功をおさめ、一躍、時代の寵児になる。ロンドンでは、今風のイタリアオペラを望む声が強く、ロンドンの有識者の白羽の矢が当たったのがヘンデルであった。ヘンデルは、ロンドンの女王劇場の招きに応じて、本格的な、イタリアオペラを書くことになる。このオペラが成功するかは、ヘンデルのロンドンでの地位に関わることであり、ヘンデルは全身全霊を注いで「リナルド」を書くことになり、二時間を超える正歌劇を僅か二週間で書き上げ、ヘンデルをして、「現代のオルフェウス」と人々にいわしめるのである。このオペラは、15回初演公開を達成し、大成功を収め、ヘンデルのロンドンの地位は確固としたものになる。後の「メサイア」を除けば、ヘンデルのオペラで大成功を収めた代表的なオペラである。

それだけ、音楽史上有名なオペラであったが、ホッグウッドがオリジナル楽器を使用して、全曲を完璧に、初めてレコーディングしたのは遅きに失した感があるが、このような優れたバロックオペラが当時のスタイルで再現されるのは実に喜ばしいことと思う。台本は、中世の十字軍の物語であるが、台本作家はイタリア人のジャコモ・ロッシで、イタリアオペラ風に実に巧みに書かれている。まず、筋書きが、英雄リナルドが愛人アルミナーレを魔女から救い出し、異教徒に占領されていたエルサレムを解放するという物語で、わくわくすようなスリリングに満ちており、これが、ドイツ語で書かれていたら、後のワーグナーが台本にしてもおかしくないような、愛と英雄主義的な物語である。また、舞台装置の凝り方は、当時の先端のイタリアオペラの贅が尽くされている。稲妻の音と光には花火が使用された。魔女が乗ってくるドラゴンは煙と火を噴き観衆を驚かした。また、リナルドとアルミナーレの愛の場面には、小鳥がさえずり、実際に舞台に多くの小鳥が放たれた。このようにして、耳と目で楽しめるオペラが当時のイタリアオペラであった。

また、特筆すべきことは、台本のセリフに出てくる神々の名が、全て古代ギリシャ・ローマの神々であるいうことである。中世の騎士道物語だからキリスト教的な神や聖女が出てきそうだが、ここが18世紀の古典主義を反映して、舞台の神殿も古代ギリシャ・ローマ風であり、神々も全てギリシャ神話的なのである。筋書きは、中世に置いていても、趣味は純然たるバロックスタイルである。従って、ヘンデルがつけた音楽も全て古典的なバロックスタイルであることは云うまでもない。序曲も明朗典雅な、いかにもヘンデルらしい自由闊達な音楽で、これから神話的な世界へ誘うようなすばらしい音楽である。間にギリシャ神殿を想わせるような,ドーリア調の荘重な音楽がある。この序曲だけをとってもヘンデルを代表する器楽曲だと思う。アリアも生き生きしていて明快で典雅である。歌詞に即して感情の表現が巧みで、現代人でも飽きることなく聞くことができる。

 「バッコスとアリアンナ」セバスチャンノ・リッチ


リナルドとアルミナーレは婚約している。無事,遠征が成功したら、二人は晴れて結婚が許される。二人は、泉や並木道や大きな鳥かごの有る庭園にやってくる。鳥かごの中では、小鳥たちが楽しそうに飛び交い歌っている。

そこで、二人は美しい二重唱を歌うのである。
このアリアは、いわゆるダカーポアリアになっていて、中間に荘重なドーリア調の神殿を想わせるような部分が挟まれている。前後のアリアは、二人の幸せを明朗典雅に歌っていて、このオペラの中でも特に美しいアリアである。リナルドは本来は、カストラートが歌うことになっているが、このディスクでは、カウンターテナーが歌っている。
 
 「バッコスとアリアンナ」はこのような幸せな二人を想わせる最良のバロック絵画である。バッコスは、愛するアリアンナに婚約指環を送ろうとしている。美しい少女が聖火をもって二人を祝福している。

 
















次のページ                                            トップページ


[PR]看護師の好条件求人なら:転職活動不安ですか?なんでも相談OK!